ソウルの中心で真実を叫ぶ――李宇衍氏が暴いた「強制連行」なき徴用工問題の実像
2020年5月16日の産経新聞書評欄に掲載された『ソウルの中心で真実を叫ぶ』の紹介記事を取り上げる。『反日種族主義』の共著者である韓国人経済学者・李宇衍氏が、支払い台帳などの資料を精査し、朝鮮人労務者と日本人の賃金・待遇に差がなく、強制連行は行われていなかったと論じた研究と、「行動する学者」としての決意を紹介する。
2020-05-18
この信念に基づき、当時の支払い台帳に立ち返って精査することで、朝鮮人・日本人に賃金や待遇の差がなく、強制連行など行われていなかったという事実を突き止めた。
以下は、5月16日の産経新聞の書評欄に、「ソウルの中心で真実を叫ぶ」と題して掲載された記事からである。
「行動する学者」の決意
李宇衍著、金光英実訳
扶桑社・1800円+税
著者の李宇衍氏は、大ベストセラー『反日種族主義』、文芸春秋、の共著者でもある気鋭の韓国人経済学者です。
毎週水曜日にソウル市内で行われる反日集会の傍らで、度重なる暴力を受けながらなお、慰安婦像の撤去と集会中止を訴えつづけてきた「行動する学者」でもあります。
著者は、専門である朝鮮人労務者、いわゆる「徴用工」問題の研究で、これまで韓国で唱えられてきた通説を次々に根底から覆してきました。
「経済学者であるからには数字で語ろうと思う」。
この信念に基づき、当時の支払い台帳に立ち返って精査することで、朝鮮人・日本人に賃金や待遇の差がなく、強制連行など行われていなかったという事実を突き止めたのです。
本書では、書き下ろしの第一部に加え、第二部で著者の代表的な経済論文3本を収録しています。
昨夏、翻訳者の金光英実氏を通じて執筆依頼の連絡を入れた翌日、飲み会で著者と翻訳者が偶然隣席するという運命的な出会いから、本書の出版交渉はスタートしました。
ソウルでお会いした際の先生の第一声は、「韓国に来るのは怖くなかったですか?」。
ちょうど市内で反日デモの嵐が吹き荒れていた時期です。
この温厚篤実な人物が、激しい暴力にさらされてなお戦い続けているという事実に、深い感慨を覚えました。
「殴られても『売国奴』と呼ばれても、反日種族主義の軛、くびき、から逃れる日まで、私たちの戦いに終わりはない」。
これが著者の決意の言葉です。
扶桑社出版局書籍・ムック第2編集部 吉田淳。