欧州の怒りは決定的になった――「詫びるどころか恩に着せる」中国の異形な本性
新型コロナウイルス禍を契機に、欧州では中国への怒りと不信が決定的なものとなった。
英国、EU、NATO、スウェーデンなどで広がる「脱中国」の潮流と、中国によるマスク外交、偽情報キャンペーン、ハイブリッド戦争の実態を、産経新聞論説委員・岡部伸氏の論文から読む。
2020-06-12
欧州では、「詫びるどころか恩に着せる」高圧的で異形な本性を現した中国への怒りは決定的なものになった。
私が言及している月刊誌は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
何しろ本稿の様な本物の記事が満載されているにもかかわらず、たったの950円なのだから。
以下は、EU・英国は中国にカンカン、日本流 脱・中国五つの処方箋、と題して月刊誌WiLL今月号に掲載されている、産経新聞論説委員岡部伸の論文からである。
この論文は朝日新聞等やNHK等のテレビ放送局が全く報道機関の体を成していない事と、彼らが完全に中国の影響下=支配下にあることを明瞭に示している。
見出し以外の文中強調は私。
日本の中国依存は度を超えていた。
世界の潮流は脱・中国。
コロナの”戦局”を見誤るな。
EUの怒り。
新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を受け、欧州では「脱中国」に向けた動きが顕著だ。
欧州を参考に、日本の「脱中国への道」を探ってみたい。
とりわけ、一時は集中治療室に入る重篤な状態となったジョンソン首相やチャールズ皇太子が感染し、死者3万4千人超(5月18日時点)という欧州最大の犠牲者を出した英国では、「5Gなどの中国依存を脱して、対中関係を根本から“リセット”せよ」(ヘイグ元外相)との反発や疑念が拡大している。
新型コロナは、欧州の断絶を露呈した。
戦争予防目的で設立された欧州連合(EU)は冷戦終結以来、グローバル化を先導してきたが、初の戦争並みの事態であるコロナを前に、「移動の自由」の理念を破って各国が国境を封鎖し、機能不全を映し出した。
イタリアで感染が蔓延すると、どの国も国家主義へと転じ、医療品の共同調達や医療情報共有、共通の医療戦略も、相互支援もあまりなかった。
共同体の結束どころか、「自国第一」の本性を現したEUは、もはやメキシコとの国境に壁をつくるといったトランプ米大統領を非難できないし、離脱した英国を「わがまま」と批判できない。
こうした国家権力の真空地帯に忍び込んだのが中国だ。
イタリアをはじめ、欧州など世界約150ヵ国に医薬品や医師を「救世主」のごとく送る「マスク外交」を展開した。
しかしスペインやオランダなどで国内の品質基準を満たさない不良品が見つかり、「一帯一路」で途上国を「借金漬け」にして経営権を奪い取る債務の罠に陥れた経緯もあり、反対に疑心暗鬼と反発が広がった。
さらに世界の大使館を通じ、ビッグデータを活用した監視で感染を封じた権威主義が、民主主義より優れているとする「体制優位」キャンペーンを見るにつけ、欧州では、「詫びるどころか恩に着せる」高圧的で異形な本性を現した中国への怒りは決定的なものになった。
中国は世界にウイルスを拡散させたことへの「遺憾の意」の表明も、ウイルス関連のデータ公開もしない。
それどころかコロナの発生源をめぐって、中国外務省の趙立堅副報道局長がツイッターで、「米軍が武漢に感染症を持ち込んだ」と主張し、「米国の陰謀」との虚偽宣伝を世界に拡散させた。
米国の猛反発を受け、のちに訂正したが、ロシアとイランが同調、「感染源は欧州と米国」と発信する情報戦に発展した。
ツィッターで偽情報を拡散させる手口は、2015年の米大統領選や2016年のEU離脱をめぐる英国国民投票でのロシアによる介入工作と同じだ。
スウェーデンのフルトクビスト国防相は、「中露連携の偽情報キャンペーンだ」と見破った。
スウェーデンでは、中部ダーラナ市と武漢など中国との姉妹都市関係を打ち切る自治体が相次いでいる。
中国によるスウェーデン政府やジャーナリストへの威圧的態度が原因だ。
中国政府が出資する孔子学院もすべて閉鎖する。
SNSでの情報戦を警戒するEUの外務省、欧州対外行動庁は4月、「中国とロシアが支援する組織が陰謀論と偽情報を拡散している」との報告書を公表した。
北大西洋条約機構(NATO)も同月、国防相理事会をテレビ会議で開き、中国を念頭に「国家や非国家主体が虚偽で有害な話を流布し、欧米を分断している」(ストルテンベルグ事務総長)と非難し、NATO米代表部のハッチソン大使は、中国がロシアを手本に「(軍事力と非軍事力を組み合わせた)ハイブリッド戦争の一部を仕掛けている」と警戒感を示した。
この稿続く。