日本株は魅力を取り戻せるか①…日経新聞1月15日9面より

投資家の発掘努力不足
京大教授  川北英隆氏   文中黒字化は芥川。

――日本株の魅力が乏しいといわれる。
「見逃せないのは投資家の責任だ。年金基金など多くの機関投資家がインデックス投資、つまり株価指数に連動する運用成果を目指している。個別株を選ばないので、魅力ある企業の株価が上がりにくい」

…中略。

だが今のように成長しない経済だと株価指数という『平均銘柄』を買ってももうからない』。

――インデックス投資の普及で個別企業の調査がおろそかになった?

「証券会社のアナリストが企業や工場を訪問しても、出てくる調査リポートは『訪問記録』どまりだという不満を市場関係者から聞く。工場見学をしたら、製品を検証して、その企業がどこまで伸びていくのかまで分析してほしい、と」

…中略。

「問題は機関投資家の評価体系だと思う。ファンドマネジャーは年間の運用成果で報酬が決まる。1年で結果を出すには、四半期ごとの業績や目先の株価の動きに追随しないと難しい。調査の結果、2~3年後に値上がりしそうだという株を買っても報われない」

…中略。

     
「投資家としての経験からいえば、運用成果の評価には3年ほしい。投資信託も3~5年は解約できない設計にしてはどうか。

投資家が長期的になれば、企業の四半期決算も長期的な収益目標が達成できるかどうかという冷静な視点で分析できる。目先の業績が悪くて株価が急落した際に、買い向かう逆張り投資も増えるだろう

…中略。

「今はいい会社も市場に報われず、悪い会社にも市場の規律が働いていない。機関投資家は独自の姿勢で企業を選別してほしい」

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