香港を放置しない米英欧—「一国二制度」を悪用してきた中国共産党は遂に四面楚歌に陥った

2019年7月5日発信。
前章に続き、香港が中国共産党幹部にとって資金洗浄と錬金の拠点であった実態を明らかにしつつ、米英欧が香港問題をもはや放置しない局面に入ったことを論じた一篇。
クリス・パッテン、ポンペオ、欧州各国、ナンシー・ペロシ、アグネス・チョウらの動きを通して、「一国二制度」を悪用してきた中国共産党政権が国際社会から完全に四面楚歌へ追い込まれつつある現実を描いている。

2019-07-05
一般的な香港住民の息苦しさとは裏腹に、権力者の一部にとっては長らく、「一国二制度」の香港は超魅力的な地だった。

以下は前章の続きである
米英は放置しない 
一般的な香港住民の息苦しさとは裏腹に、権力者の一部にとっては長らく、「一国二制度」の香港は超魅力的な地だった。 
なぜか。
香港は腐っても香港。
世界各地との貿易の往来があり、世界金融センター、物流ハブ、世界最大のオフショア人民元センターとしての機能があるためだ。
二〇一四年十一月からは、香港と上海の株式市場の相互乗り入れも始まった。
一つの巨大な中国株式市場の誕生で、庶民不在のセントラルという名の“賭博場”は勢いづいていた。 
共産党幹部らは、身内や政商を使って不正に持ち出した人民元をマカオのカジノで洗浄し、そのお金を香港へ移し、香港ドルに換えたり、タックスヘイブンに設けたペーパーカンパニーに移すなど、資金洗浄と錬金の拠点にしていた。 
すなわち、香港には独自の優位性、重要な役割がある。
英国からノウハウを「盗み取った」鄧小平時代からの中国は、「二制度」を悪用してきた。
挙句、共産党と表裏一体の黒社会の暗闘も激しくなった。 
ただ、中国に向ける世界の視線は、雨傘革命が起きた二〇一四年と今は一八〇度変わったと言える。
最後の香港総督を務めたクリス・パッテン氏をはじめ、マイク・ポンペオ米国務長官、英国とドイツの外相らが、いち早く懸念を表明した。欧州十一ヵ国の香港総領事らが、ラム行政長官に面会して正式に抗議したことも報じられた。 
EU(欧州連合)の欧州対外活動庁(外務省に相当)の報道官も十二日、多くの負傷者が出たことを受けて、「平和的で自由に集まり、意見を表現する権利は尊重されなければならない」「香港市民の多くの懸念を共有する」との声明を発表した。 
雨傘革命が起きた五年前、「『英中共同声明』の原則を守る責任がある」と発言し、「香港の高度な自治の弱まりに対して何も言わなければ、共謀して香港を凋落に追い込むことになる」との考えを示した英国の議員の中国渡航ビザ発給が拒否され、超党派議員の訪中予定が中止になったことも記憶に新しい。 
要するに、怒りが沸点に達しているのは香港住民だけではない。
本丸は、「中国共産党に返還してしまった」英国なのだ。
議員らもリベンジの機会をうかがっていたはずだ。
そして自由と民主を守るべく、中国共産党を敵と位置付けたトランプ政権がその先陣を切っている。
米国務省のモーガン・オルタガス報道官は十二日の記者会見で、「根源的な権利をめぐって中国の支配下に入りたくないから抗議している」と若者らの行動に理解を示した。
雨傘革命で学生幹部だった周庭(アグネス・チョウ)氏は明治大学の講演で「日本の政府や政治家も、改正案に(反対の)意思をはっきり示してほしい」と訴えた。 
民主党のナンシー・ペロシ下院議長も十一日の声明で、二国二制度」の枠組みで、香港に十分な自冶権があるか否かを再評価する法制を、米議会に呼び掛けた。
「香港人権・民主主義法」と称したこの法案が、数日以内に提出されることを心待ちにしていると述べた。 
欧米諸国からの政治的、外交的圧力は、「二制度」を悪用し倒し、錬金と資金洗浄の場とした中国共産党政府に突き付けられている。 
習政権の最高指導者らも、もはや一枚岩ではない。
すなわち習近平の中国は、世界から完全に四面楚歌に追い込まれた。

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