『クレオパトラ』は、二十世紀フォックスを本当に傾かせた映画だった
NHKBS1で放映された映画『クレオパトラ』を親友と久しぶりに鑑賞したら、即座に、この映画のために製作会社が傾いたと語った。
エンドロールに二十世紀フォックスの名を確認した私は、映画終了後、有料契約しているAIに調査させた。
その結果、『クレオパトラ』が二十世紀フォックスを倒産寸前に追い込んだ映画史上の超大作であったことが確認された。
はい。調べると、これは映画史上でも有名な話で、エリザベス・テイラー、レックス・ハリソン、リチャード・バートン主演の『クレオパトラ』(1963年)は、20世紀フォックスの経営を本当に傾かせた超大作でした。
ただし、最終的には完全な倒産ではなく、**「会社を潰しかけたが、後年の再上映・テレビ放映権などでようやく損失を回収した」**というのが正確です。
まず、この映画は当初、比較的安く作るはずの企画でした。
ところが、制作が進むにつれて、監督交代、脚本の未完成、撮影地の変更、巨大セット、スターの高額出演料、エリザベス・テイラーの病気、撮影中断、さらにテイラーとリチャード・バートンの不倫騒動まで重なり、制作費が異常に膨張しました。
最終的な制作費は、資料によって31百万ドル台、あるいは宣伝・配給費込みで44百万ドル前後とされます。
当時としては空前の金額で、現在価値では数億ドル級の超巨額映画でした。
特に大きかったのは、最初の英国撮影がほぼ破綻したことです。
ロンドン近郊で巨大なアレクサンドリアのセットを組んだものの、天候や制作上の問題、テイラーの重病などで撮影は混乱し、結局、イタリアのチネチッタへ移って撮り直すことになりました。
つまり、すでに巨額を投じたセットや撮影計画の多くが無駄になり、そこから改めてローマで巨大セットを作り直す形になったわけです。
20世紀フォックスへの打撃は深刻でした。
ロサンゼルス・タイムズは、制作費の高騰によりフォックスがロサンゼルスのバックロット約300エーカーを売却することになり、その土地が後のセンチュリー・シティになったと書いています。
また、1962年初めには、同社で実際に制作されていた映画が『クレオパトラ』だけという異常事態にまでなっていた、とも伝えています。
それでも『クレオパトラ』は、単純な興行成績だけを見ると完全な失敗作ではありません。
1963年の興行収入ではトップ級で、アメリカ・カナダで約5770万ドルの興行収入を記録しました。
しかし映画会社に入るのは興行収入の全額ではなく、劇場側の取り分、宣伝費、配給費、金融費用などがあり、あまりに制作費が膨らみ過ぎていたため、公開当初は20世紀フォックスを救うほどの利益にはならなかったのです。
この映画の混乱は、20世紀フォックスの経営陣にも大きな影響を与えました。
当時の社長スパイロス・スコーラスやプロデューサーのウォルター・ワンジャーの立場は大きく揺らぎ、同社は制作体制の見直しを迫られました。
後年の映画史では、『クレオパトラ』は「古典的ハリウッドの巨大スタジオ・システムが限界に達した象徴」の一つとして語られています。
結論としては、こうです。
『クレオパトラ』は、20世紀フォックスを倒産寸前に追い込んだ。
巨大セット、撮影中断、撮り直し、スター・スキャンダル、制作費の暴走によって、会社はバックロットを売却し、制作活動も大幅に縮小せざるを得なくなった。
ただし映画自体はまったく客が入らなかった失敗作ではなく、むしろ大ヒットした。
問題は、大ヒットしても回収しきれないほど、制作費と関連費用が膨張していたことだったのです。