自らの首を絞めるメディア――「二千万円問題」と野党の空疎な安倍批判

2019年7月2日に書かれた本稿では、老後資金二千万円問題をめぐる野党とメディアの過剰反応を取り上げ、その批判の空疎さと報道の劣化を厳しく論じている。
辻元清美の「百年安心詐欺」発言、金融庁報告書への反発、毎日新聞による国家戦略特区報道などを通じて、反安倍一辺倒の姿勢がいかに正常な政策論争を壊しているかを明らかにする。
阿比留瑠比の論考をもとに、メディアと野党が自ら信頼を失っていく構図を描いた一篇である。

2019-07-02
1,870万円の秘書給与をだまし取っていた、本物の「議員秘書給与詐欺事件」(2002年)を起こした、ご当人が「詐欺」という言葉をよく口に出せたものだなと思いましたが

以下は前章の続きである。
自らの首を絞めるメディア
ただ野党も、選挙に向けた政権批判を繰り出したいところでしょうが、これといった目玉がありません。 
老後資金2千万円問題が騒がれました。
金融庁審議会の報告書が6月3日に公表、その中に、夫婦の老後資金として「30年間で約2千万円が必要」と記載されることが判明。
麻生大臣はこの報告書の受け取りを拒否することを表明しています。 
この対応を受け、「前代未聞の隠蔽工作だ」(立憲民主党の大串博志氏)、「選挙に不利かもしれないから受け取りないと言い始めたのではないか」(共産党の宮本徹氏)と鼻息が荒い。 
辻元清美氏も「百年安心詐欺だ」と批判しています。
安倍晋三首相が六月十日の参院決算委員会で「(年金制度の)百年安心はうそではない」と答弁したことに対する批判の言です。
1,870万円の秘書給与をだまし取っていた、本物の「議員秘書給与詐欺事件」(2002年)を起こした、ご当人が「詐欺」という言葉をよく口に出せたものだなと思いましたが。 
辻元氏の批判は二重の意味で間違っています。 
六十五歳で「無職の世帯」が、九十五歳まで年金だけで暮らしていくとしたら、足りなくなるのは当たり前です。
「老後の資金が必要だ」「老後のための貯蓄が必要だ」と、多くの人たちは認識しています。
だから、二千万円必要だと試算が出たことに対して「詐欺だ」と言っても始まりません。
そもそも、国民のほとんどは、老後を年金だけで暮らしていけるなんて思っていません。
与党が「百年安心」と謳っているのは年金制度のことであり、百歳まで安心という意味では全くありません。 
また六十五歳で「無職・無貯金」という設定自体に無理があります。
通常、六十五歳まで働いていたら、少なくとも数百万円単位の預貯金はあるでしょう。
実際に六十歳の平均貯蓄は約二千九百万円という数字が出ています(PFG生命調査より)。
そこから「老後資金がこれだけ足りない」と問題提起するのなら理解できますが、こんな穴だらけの話に目くじらを立てて批判すること自体がナンセンスです。
野党は批判を強めていく気配ですが、ちょっと待ってください。
年金だけで老後が暮らせるような社会保障を、野党側は提案したことがあるでしょうか。
今から対案を考えてもらっても構いません。
ただ、その対案の中身が「消費税二五%」だったら、愕然としますが(笑)。 
この「二千万円問題」を、各局のワイドショーがこぞって取り上げています。
番組のつくり手側だって、老後三十年間を年金だけで生活していくのは無理だとわかっているはずです。
ところが、金融庁の報告書に対して「とんでもない」と、無暗に噛みついてくる。
これでは正常な議論ができません。
ここにも、とにかく安倍叩きに利用しようとするアペノセイダーズの弊害が表れています。
こういうことばかり繰り返していては、割を食うのは国民の方です。 
金融庁がなぜこのタイミングで報告書を出したのか、疑問もあります。
消費税引き上げを正当化し、資金運用を活発化させるための財務省の仕掛けかもしれません。
ただ、今回の場合は「モリカケ」問題のような大きな広がりを見せるとは思いません。 
毎日新聞が政府の国家戦略特区を巡り、規制改革案を最初に審査するワーキンググループの原英史座長代理の疑惑について盛んに報じています。
協力関係にあるコンサルティング会社が、二〇一五年、提案を検討していた福岡市の学校法人から約二百万円のコンサルタント料を受け取っていたとか。
原氏が、加計学園の獣医学部新設に総理の意向は関係なく、適切に進められた結果だと主張してきたため、標的にされたのでしょうか。
ただ、当の原氏は誠実にかつ徹底的に反論しており、かえって毎日新聞側の取材や記事化のプロセスへの疑問が高まっています。
結局、大した盛り上がりもなく終わる気配濃厚です。
こんな報道の仕方をメディアが続けていたら、自分たちの首を絞めることがどうしてわからないのか、不思議に思います。
この稿続く。

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