アメリカは知っていたのか――武漢ウイルスと生物兵器疑惑の核心
月刊WiLL掲載の河添恵子氏と孫向文氏の対談を引き、石正麗の研究、米CDCの警戒、CBIRFの極秘演習、武漢空港での事前訓練、カナダ国立微生物研究所と武漢P4研究室をめぐる疑惑を論じる。武漢ウイルス人工説と生物兵器疑惑の核心に迫る一章。
2020-03-30
アメリカのCDC(疾病対策センター)は「自然界に存在しないウイルスをつくるのは、モラル違反であり、中国が生物兵器に転用しかねないリスクを推測した」。
以下は前章の続きである。
アメリカは知っている。
孫
アメリカは2015年の時点で、すでに新型コロナウイルスの存在を知っていた可能性があります。
冒頭で紹介した、新型コロナウイルスの作製者である石正麗が『Nature』で発表した論文を見た、アメリカのノース・カロライナ州にある小さな医学研究団体が、彼女がリーダーの研究チームと提携を結んだことがありました。
その際に見たのは、コウモリから抽出したコロナウイルスを、人間の細胞にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と融合する実験に成功した、との内容が書かれている論文。
これを当時のアメリカのCDC(疾病対策センター)は「自然界に存在しないウイルスをつくるのは、モラル違反であり、中国が生物兵器に転用しかねないリスクを推測した」としています。
その結果、同年にその医学研究団体は彼女の研究チームとの提携を解消している。
河添
ホワイトハウスが、このような情報を知らないはずがない。
孫
2月初頭、アメリカのCBIRF(Chemical Biological Incident Response Force=化学生物事態対処部隊)が極秘の演習を行いました。
これには大きな意味があると思っています。
河添
CBIRFは、東日本大震災の原発事故の際に、「トモダチ作戦」を行った部隊ですね。
孫
おそらく、アメリカは今回の新型コロナウイルスを明確な兵器と断定、もしくは把握しているのではないかと。
河添
昨年の9月18日、武漢の天河国際空港で、新型コロナウイルス患者が1人出たことを想定した演習を行いました。
湖北省の政府が「空港で模擬訓練を行う」と前日に出した文書もあり、「新型コロナウイルスの患者を想定した訓練を行った」ことは、省の官製SNSで写真付きで載っていました。
孫
しかも演習で想定されていた症状は、発熱、呼吸困難、気分のだるさと細かく想定されていました。
今になって見返すと、新型コロナウイルスの症状にうり二つです。
河添
中国外交部の華春瑩報道官は、2月3日に、「アメリカには武漢の状況を1月3日に報告し」「これまで30回以上にわたって報告した」と語り、物議を醸しました。
また、武漢のアメリカ領事館職員は、早々に全員帰国しています。
インフルエンザ程度であれば、あり得ない処置です。
そういえば、新型コロナウイルスの流行で、再浮上したニュースがありましたね。
カナダ国立微生物研究所に所属していた中国出身の科学者夫婦、邱香果と成克定が逮捕された件です。
孫
2019年3月末、2人は生きた状態のエボラウイルスを郵送しました。
しかも、その行き先は、武漢P4研究室(笑)。
河添
そうなんですね。
「北京に送られた」と記された文書もありました。
邱氏はエボラウイルスの解決策となるカクテル抗体をつくった研究者の一人で、BSL4にアクセスできる立場だったとか。
孫
邱氏がカナダの研究所で共に働いていたケニア人の元同僚、フランク・プラマー研究員は、ケニアで開催されていたウイルス研究に関する座談会に出席している最中に……。
河添
急死しましたね。
一報に触れた瞬間、殺されてしまったのかと。
孫
彼はカナダにおけるウイルス研究の権威で、専門分野はエイズ研究でした。
一応、死因は心臓病とされていますが、座談会の最中に突然パタッと倒れたとか。
河添
死人に口なしですから……。
この稿続く。