ワクチン覇権戦争と日本が立てるべき国家百年の計

新型コロナウイルスのワクチン開発を巡り、米国、中国、英国、EUは国家を挙げた主導権争いを始めている。日本が戦後最大級、人類史上有数の大惨事から学ぶべきことは、九月入学などではなく、ワクチン、医薬品、医療安全保障を国家戦略として構築することである。

2020-05-02
人類史上でも有数の大惨事から日本が立てるべき国家百年の計とは、そんなことではないことを、以下の記事は告げてもいるのである。
以下は、今日の日経新聞からである。
日本のテレビメディアは、こういうことは殆ど報道しない。
その代わりに、杉並か世田谷あたりの一主婦が、何故か突然始めた運動。
私は、それは日本国民の怒りが中国に向かうのを逸らすためでもあると考えている。
九月入学云々。
今回の戦後最大の大惨事であるだけではなく、人類史上でも有数の大惨事から、日本が学ぶべきこと、考えるべきこと、対処すべきこと。
そうして立てるべき国家百年の計とは、そんなことではないことを、以下の記事は告げてもいるのである。

ワクチン、国家の争い激化。
米国、コロナ関連に千三百億円。
中国、年内に実用化めざす。

新型コロナウイルスのワクチン開発を巡り、各国が激しい主導権争いを演じている。
先行する米国は、自国での供給・備蓄を目的に一千億円超を投じて、欧米医薬企業の実用化を後押しする。
中国も国を挙げて開発を強化しており、欧州勢も世界競争に割って入る。
国際協調でワクチン開発を支援する動きもあるが、国主導の開発スピードが加速している。

国際協調に課題。
米国で新型コロナワクチン開発を支えるのが、米生物医学先端研究開発局、BARDAである。
BARDAは、バイオテロなどに対応するために二〇〇六年に設立された。
米保健福祉省、HHSの傘下組織で、国の予算で運営されている。
米国民の生命を守るため、治療薬やワクチンの開発・生産を支援する。
BARDAは、米国でコロナ感染が深刻化した三月初旬以降、新型コロナ案件に集中している。
投じた金額は十二億ドル、千三百億円を超える。
BARDAは、開発を支援するだけではない。
開発を終えてすぐに供給できるように、生産体制の構築まで視野に入れ、巨額資金を投じる。
すでにジョンソン・エンド・ジョンソン、J&Jと設備投資費用十億ドル、約一千億円を折半して、十億回分の新型コロナワクチン供給契約も締結した。
BARDAは、米バイオ企業モデルナにも約四億三千万ドル、約四百六十億円を投じる。
ワクチンの有効性を確認する前から投資を決断し、同時に大量に買い取る契約も結んだとされる。
四月三十日、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、二〇二一年一月までにワクチンを数億本供給する計画の存在を明らかにした。
「有効かどうか答えが出る前に、リスクをおかして生産増強を進める」
ファウチ所長。
詳細は明らかになっていないが、BARDAの存在が見え隠れする。
米国は、自国への供給を最優先としているが、同様の動きは広がっている。

中国では、政府と関係の深いバイオ企業や研究所で、三つのワクチン治験が進む。
開発費用や治験の設計、製造体制まで、政府の支援を受けていると言われる。
安全性重視の欧米と違い、有効性確認を優先するため、実用化スピードは速い。
支援を受けるカンシノ・バイオロジクスが手掛けるワクチンは、世界で初めて有効性を確認する治験まで進んでおり、年内実用化を目指す。
中国は、自国だけでなく、途上国にも供給することで、外交的な影響力拡大も狙う。

ワクチン開発を急ぐのは、米中だけではない。
英国でワクチン治験を始めたオックスフォード大学は、四月三十日、製薬大手の英アストラゼネカ、AZとの提携を発表した。
英国政府も同大学に二千万ポンド、二十七億円を助成。
年内に一億回分のワクチン製造体制を構築し、英国民への供給を急ぐ。
欧州連合、EUも、ドイツの有力ワクチンメーカーに八千万ユーロ、約九十四億円の研究助成を決めた。
これも、優先供給を狙う米国から同メーカーを防衛するためとされる。
ただ、仏製薬大手サノフィのポール・ハドソン最高経営責任者、CEOは、「ワクチン開発支援で、欧州委員会がBARDAレベルに達していない」と指摘し、開発スピードなどで遅れかねないと懸念する。

国際的な官民連携組織である感染症流行対策イノベーション連合、CEPIは、「平等なアクセス」を理念とする。
支援を受けた企業は、手ごろな価格で分け隔てなく供給することが求められる。
ただ、CEPIの支援は研究開発が中心で、BARDAのように供給体制構築まで踏み込まない。
日本もCEPIに資金拠出している。
国内では、内閣府などが所管する日本医療研究開発機構、AMEDがワクチン開発を支援する。
支援規模は小さく、治験などの助成に限る。
世界がワクチン開発で覇権争いを繰り広げるなか、海外製ワクチンが日本に速やかに輸入されるという保証はない。
国産ワクチン開発を急ぐためにも、制度、資金だけでなく、生産体制に注ぐ必要がある。
先端医療エディター高田倫志、ロンドン=佐竹実、ワシントン=鳳山大成。

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