本分を忘れたメディア――櫻井よしこ氏が説く、政府と国民を分断する報道の罪
月刊誌WiLLに掲載された櫻井よしこ氏の論文は、武漢ウイルス危機における日本政府の対応と、それを歪めて伝えるメディアの問題を鋭く指摘している。布マスク配布、雇用調整助成金、税や社会保険料の猶予、公共料金の延納など、政府の施策には明確な目的があるにもかかわらず、新聞やテレビは全体像を伝えず、政権批判に偏っている。本稿は、危機の中で政府と国民をつなぐべきメディアが、本分を忘れている現状を問う。
2020-05-07
本分を忘れたメディア。
メディアはこのような事情も伝えず、政府がいかなる目的で何をしているかも伝えず、あたかも政権の愚行であるかのような印象操作を行っている。
以下は、日本国民必読の論文が満載された月刊誌WiLL今月号の巻頭を飾り、
「わが国家の弱きを憂う」
と題して掲載された櫻井よしこさんの論文からである。
櫻井よしこさんは、最澄が定義した「国宝」の代表選手の一人である。
日本に対する至上の貢献でもある彼女の論説に、誰もが感謝するはずである。
同時に、正に真の国士でありジャーナリストである櫻井さんに比して、朝日などやNHK等のテレビメディアで論説委員やキャスター等と称している人間達の程度の酷さは、国に対する犯罪者と言っても全く過言ではない事を、心底からの怒りを持って思うはずである。
“優しさ”だけでなく“強さ”を持たねばならない。
憲法改正を起点として、自立できる国家に生まれ変わろう。
_________________________
賢さで乗り越えるしかない。
4月7日、政府は緊急事態宣言を発した。
武漢ウイルスの感染拡大について、データを示しながら国民に協力を求めた会見からは、安倍首相の熱意と誠意を感じた。
しかし、緊急事態が宣言されても、政府にも自治体の長にも命令権はほとんど与えられない。
例外は、臨時の病院施設をつくる場合、土地所有者に要請のうえ強制使用できる点にある。
朝日新聞などリベラルメディアが指摘する「私権の制限」は、主としてこの部分に由来するが、これが朝日の批判するような国民への弾圧につながるとは到底思えない。
我が国の法秩序と統治体系のどこにも、政府に強い権限を与える仕組みはない。
我が国は、政府に権力を与えない構造になっている。
国の力が非常に脆弱である以上、日本は政府と国民の賢さによって国を守るしかない。
政府は賢く洞察し、国民は各人が自制心を働かせ、利他の心で行動しなければ、日本は持たない。
万が一、旧民主党政権のように愚かな政府となり、国民が利己主義に走れば、我が国は混乱に陥り、著しく力を失っていくだろう。
国民と政府が信頼関係を築いて協力しない限り、ウイルスの脅威に打ち勝つことはできないのだ。
本分を忘れたメディア。
にもかかわらず、政府と国民をつなぐ役割を担っているはずのメディアが、事実を伝えるという本来の機能を果たしていない。
新聞や地上波テレビは、我が国が直面する危機の全体像を示すことなく、興味本位の報道に走り、歪んだ情報を垂れ流しているのではないか。
政府は一世帯あたり布マスク2枚を配ることを決めた。
立憲民主党の蓮舫副代表は、布マスク配布にかかる費用を466億円と試算し、政策の見直しを求めた。
他の野党議員やメディアも、
「税金のムダ」
「もっと優先すべきことがある」
などと批判したが、そのような形で政府の足を引っ張ることはフェアなのか。
マスク問題を詳しく見てみよう。
これまで日本もその他の国も、中国製マスクに頼りきっていた。
それで安倍政権は、多くのメーカーに増産を要求して、ようやく月産7億枚体制に近づいた。
それをまず医療機関、高齢者及び障害者施設に優先して送付した。
次に小学校や中学校に送った。
そこに、一般世帯には何もないのかという声が出て、1億枚を各世帯2枚ずつとして配布することを決めた。
メディアはこのような事情も伝えず、政府がいかなる目的で何をしているかも伝えず、あたかも政権の愚行であるかのような印象操作を行っている。
生活=経済を守り抜く。
コロナショックで打撃を受ける家庭や企業への補償について、他国に比べて日本政府の対応が不十分だと指摘されている。
しかし、批判はまったく当たらない。
欧米諸国と比較しても、遜色ない策を打ち出している。
業績が悪化し、やむを得ず従業員に休業を命じる企業や個人事業主に対して、政府は地方税の徴収猶予を自治体に要請し、社会保険料も納付猶予を設けた。
「雇用調整助成金」を拡大する方針も示している。
企業が従業員に休業を命じた場合、最低でも給与の6割を支払わなければならないが、そのうち9割を政府が肩代わりする。
企業が給与を100%支払えば、政府は90%を負担する。
西村康稔経済再生担当大臣は、私の主宰するインターネット配信の「言論テレビ」で、全国の経営者に、
「どうぞ休職させる従業員に給料の全額、100%払ってやってください。政府はその90%を負担します」
と呼びかけた。
個人に対しても手厚い支援を行っている。
困窮者に対しては、昨年度の予備費から、すでに1月に緊急小口資金として月額20万円を貸し付けている。
「貸付」ではあるが、事情が厳しい場合には返済しなくてもよいものである。
加えて別の仕組みで、2人以上の世帯に月額20万円貸す枠がある。
両方で1月から3月の3ヵ月で、2人以上の世帯には80万円が貸し付けられ、返済免除も設けられている。
さらに、所得が減った世帯には30万円が給付される。
また前述したように、年金や健康保険といった社会保険料は当面払わなくてもよいことになった。
電気、ガス、水道などの公共料金も延納できるようになった。
むろん延滞税はつかない。
これらを総合すると、平均世帯で12~13万円の負担軽減になる。
それに加えて、単身世帯の困窮者には5万円程度の家賃補助もある。
ちなみに国税、地方税含めて支払い猶予した分は、総額26兆円になるという。
そのうえに無担保、無利子融資も用意されている。
これらは、経営者と従業員、両者にとって命綱ともいえる救済策だ。
ところが、新聞やテレビはこうした施策をきちんと伝えず、1世帯あたり30万円の給付に焦点を当てて取り上げ、
「条件が厳しい」
と批判するばかりだ。
政府広報に限界がある以上、メディアの協力なしに政策を周知させることは難しい。
にもかかわらず、国民の政府に対する不信感を煽っているのが現状だ。
この稿続く。