内務省だったら武漢帰国者の検査拒否を許さなかった――戦後日本が忘れた防疫とは何か
月刊誌WiLL掲載の高山正之氏と小川榮太郎氏の対談を引き、武漢ウイルス禍で露呈した日本の縦割り行政、防疫体制の不備、戦前の内務省、朝鮮総督府、731部隊報道、GHQと朝日新聞が戦後日本に残した歪みを論じる。
2020-06-08
あのとき、検査を拒否した連中がいたが、内務省だったら許さなかっただろう。
チャーター機の手配や検疫、都市封鎖から医療機関への対応まで、すべて省内で完結していたはずだ。
私が言及している月刊誌は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
何しろ本稿の様な本物の記事が満載されているにもかかわらず、たったの950円なのだから。
以下は、武漢ウイルス戦犯国 中国をテロ国家に指定しろ、と題して月刊誌WiLL今月号に掲載されている、高山正之と小川榮太郎の対談特集の続きである。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである。
小川榮太郎は朝日新聞を至極当然に批判した著作に対して、あろうことか、言論機関である朝日新聞から多額の損害賠償請求訴訟、即ち嫌がらせ裁判を受けて、大きな経済的損失を受けながら、全くひるむことなく論文を書き続けている。
大阪大学文学部卒業者の中では誉の一人である。
内務省だったら。
小川
国内においても、コロナ禍を機に非合理で曖昧な統治機構が浮き彫りになりました。
省庁間の縦割り行政だけでなく、省庁内の縦割りも深刻であることがわかった。
例えば厚生労働省内では、マスクを扱う課と防護服を管理する課が違う。
納入するメーカーが同じなんだから、一つにまとめないと話が進まない。
これだけマスク不足が叫ばれているのに、医療器具がどの病院にどれだけあるかという情報すら共有されていない。
厚労省がリアルタイムで表示するマップをつくる必要があります。
医師会に聞きましたが、各病院が以心伝心でやり取りをしていると。
どこの後進国ですか(笑)。
高山
戦前、防疫は内務省が担当していた。
内務省には警保局、現在の警察庁があって、強制力をともなう措置がとれた。
1月末、日本政府が武漢にチャーター機を飛ばして邦人を帰国させた。
あのとき、検査を拒否した連中がいたが、内務省だったら許さなかっただろう。
しかも内務省は、国土局、現在の国土交通省と、衛生局、現在の厚生労働省を有していた。
チャーター機の手配や検疫、都市封鎖から医療機関への対応まで、すべて省内で完結していたはずだ。
朝鮮総督府にも内務省と同じ機構があって、コレラやペストが流行ると、患者を強制的に隔離できた。
感染を申告しない者もいたけど、村々に5人組みたいな防疫組合をつくらせて、「アイツは感染者だ」と密告した者にカネを払ったりもしていた。
結果、チフスやペストを2~3ヵ月で収束させることができた。
小川
大至急、強力な防疫システムをつくる必要があります。
早ければ秋にも南半球から変異・凶悪化したウイルスが襲来するかもしれない。
そんなとき、しっかりとした防疫システムを持たないようでは国民の社会生活は崩壊する。
その上、世界から爪弾きにされます。
高山
でも、「防疫」と聞くと731部隊を、「内務省」と聞くと特高警察や治安維持法をイメージする人たちが多い。
支那事変では、軍内でコレラが流行っていた。
そんななか、731部隊は防疫と清潔な飲料水の研究をしていた。
そういう防疫給水部隊は各師団が持っていた。
南京攻略のあと日本軍は揚子江を遡って逃げる国民政府軍を追った。
九江を経て武漢に向かおうとしたら、敵は揚子江の堤防を切り、九江の街の井戸には毒やコレラ菌を撒いていった。
で、防疫給水部隊が井戸水を浄化し、他の部隊は堤防の決壊箇所を直し、九江の市民には糧食を分けた。
そういう話はGHQや朝日新聞が一切フタをして、語るのは731人体実験とかのフェイクニュースばかりだ。
この731部隊のウソと内務省の解体で、戦後日本は「防疫とは何か」も忘れてしまった。
コロナの検疫体制が後手後手に回ったのも、そういうGHQの悪だくみが遠因になっていると思う。
小川
一種のアレルギーですね。
高山
過去、内務省の復活案が浮上するたび、必ず朝日や野党が治安維持法を持ち出して騒いできた。
もう、パターン化しちゃってる。
この稿続く。