中国発新型ウイルスへの警告と武漢ウイルス研究所をめぐる疑惑――月刊誌『テーミス』が2020年に提起した重大な問題
2020年8月9日。月刊誌『テーミス』が報じたG4豚インフルエンザ、中国発新型ウイルスへの警告、武漢ウイルス研究所と新型コロナウイルス起源をめぐる当時の疑惑を紹介する。2020年当時の記事の主張を原典として記録するとともに、感染症の発生源究明、情報公開、科学的検証、ジャーナリズムの責任を問う。
2020年8月9日
月刊誌『テーミス』の広告が新聞下段に掲載される度に、購読したいと思っていた。
だが、定期購読のみというのを面倒に思い、これまで購読しないで来た。
しかし、今月号のラインアップを見て、これは購読すべきだと思い、とりあえず半年購読を選択し、インターネットで手続きをした。
直ぐに今月号が届いた。
この月刊誌も、物事の真相を知りたいと考えている日本国民には必読である。
この月刊誌を購読した途端に気づくはずである。
日本の、そして世界も全く同様だろうが、マスメディアの殆どが、物事の真相を全く報道していないと言っても過言ではないことに。
だが、ここに書いてあることは、当たり前のことなのである。
当たり前のことを当たり前にするのが一流。
当たり前のことを当たり前にできないのが二流、三流。
一流とは常に完璧を求めるものだから、メディアの大半が真相を報道しないのは、メディアの大半が二流、三流の人間達の集合体であることを実証しているのである。
月刊誌『テーミス』は、「朝日新聞は日本の最優秀選手では全くない」と、日本で初めて具体的に指摘した私の論説の正しさを完璧に証明している。
以下は、『突然変異し襲いかかる、中国発――新強毒性ウイルス襲来の恐怖 免疫機能を無力化しステルス性が強い新ウイルスが日本上陸を窺っている』と題した記事からである。
前文省略。
【感染力を高めた豚インフルも】
調べてみると、6月末に中国疾病予防控制センターなどの研究者からなる研究グループが、新型の豚インフルエンザウイルスについて、米科学誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に論文を発表していたことが分かった。
実際、2020年にPNASに掲載された研究では、中国の豚から「G4」と呼ばれるユーラシア鳥類様H1N1豚インフルエンザウイルスが確認され、人への感染能力に関連する特徴が報告されていた。
研究グループは2011年から2018年にかけて中国の複数地域で豚インフルエンザウイルスを調査し、従来のウイルスの遺伝子が組み合わされた新しいタイプを確認したという。
研究グループはこの新ウイルスを「G4」と名づけた。
同研究では、2009年のパンデミックH1N1由来の遺伝子を含み、人への感染に適応する特徴を備えていることが指摘された。
『テーミス』記事は、こうした研究を取り上げ、新たな感染症の危険性について警告していたのである。
さらに同誌は、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、中国・武漢にある中国科学院武漢病毒研究所との関連を疑う見方を紹介している。
記事は、同研究所でSARS、MERS、H5N1などのウイルス研究が行われていたことを背景として、研究所と新型コロナウイルスとの関係について疑惑を提起していた。
また、中国出身の芥川賞作家、楊逸氏が著書『わが敵「習近平」』で述べた見解も紹介している。
記事はさらに、舟山で採取されたコウモリ由来コロナウイルスと新型コロナウイルスとの類似性をめぐる主張を取り上げ、
「武漢ウイルス研究所が『生物兵器の開発』にあたっていた可能性は濃厚である」
と論じている。
ここは重要なので明確にしておく。
これは、2020年当時の『テーミス』記事が提示した主張である。
その後もSARS-CoV-2の起源については世界的な調査と議論が続いている。
WHOの科学諮問グループSAGOが2025年6月に公表した評価では、現在利用できる証拠の重みは、コウモリから直接、あるいは中間宿主を介した動物由来の伝播を示唆するとしている。
その一方で、WHOは、中国側から研究所の活動やバイオセーフティーを含む必要な情報が十分提供されていないとして、研究所関連説も含め、全ての仮説を検討対象に残している。
また、現在の科学研究では、2002年に広東省で最初に確認されたSARSについて、その関連コロナウイルスの自然宿主としてキクガシラコウモリ属が重要であることが明らかにされている。
したがって、「舟山コウモリそのものが2002~03年のSARSウイルスの宿主だった」という表現については、現在の科学的知見と区別し、2020年当時の記事中の記述として読む必要がある。
しかし同時に、感染症の発生源について十分な情報公開を求めること、新たな感染症の兆候を早期に把握すること、そして研究施設を含めあらゆる可能性を科学的に検証することの重要性は、少しも失われていない。
私が当時この『テーミス』の記事を取り上げた理由も、まさにそこにある。
未知の感染症が世界を襲った時、必要なのは政治的思惑でも、メディアによる決めつけでもない。
事実を徹底的に調査することである。
中国政府であれ、WHOであれ、研究機関であれ、世界の生命と安全にかかわる情報については、完全な透明性が求められる。
真相を知ろうとすること。
事実を報道すること。
疑問があれば調査すること。
それこそが、本来、ジャーナリズムが果たすべき当たり前の仕事なのである。
後略。