三島由紀夫の憂国と政治家の覚悟――日本は韓国にも徹底して向き合うべきだ
2019年8月29日発信。
月刊誌WiLL掲載の石原慎太郎氏と亀井静香氏の連載対談の続き。
亀井静香氏の詩「へいやんの歌」、三島由紀夫氏がホテル・ニューオータニで語ったクーデタ構想、佐藤内閣時代の総理演説をめぐる逸話、そして韓国・竹島・サムスンをめぐる日本政府の対応について論じる。
憂国の情と政治家の覚悟を問う対談である。
2019-08-29
ある年の暮れ、佐藤内閣の保利茂官房長官が僕と三島さん、今日出海に声をかけ、ホテル・ニューオータニに集まった。
次の通常国会で、冒頭の総理首相演説のアイデアをくれないかということだった。
以下は前章の続きである。
憂国の情。
亀井
兎角に人の世は住みにくいー私は仙人みたいな心境だ。
石原
そうかい。
僕はとても仙人にはなれない。
足を踏み外して雲から落ちていく(笑)。
亀井
石原さんは現代を代表する文明人だ。
石原
どういう意味だよ(笑)。
亀ちゃんも文明の中に生きているだろう。
亀井
私は文化人だから(笑)。
私がつくった詩があるジャーナリストによると「最高の現代詩だ」とほめてくれた。
石原
へえ、ぜひ見せてくれよ。
亀井
そうやって不審な顔をする。
石原
していないよ。
亀ちゃんは“悪しき天才”だから(一同爆笑)。
亀井
題名は「へいやんの歌」。
へいやんというのは物乞いの放浪者だ。
子供の頃、村に毎年やってきて、よく可愛がってくれた。
紙風船とかくれたんだ。
私の家に二晩ほど泊まると、家じゅうシラミだらけになった(笑)。
子ども時代の一番の思い出を詩にしたんだ。
石原
それはいいじゃないか。
何か面白いことをどんどんしていきたい。
中略。
石原
三島由紀夫のクーデタはちゃちなものだったろう。
ある年の暮れ、佐藤内閣の保利茂官房長官が僕と三島さん、今日出海に声をかけ、ホテル・ニューオータニに集まった。
次の通常国会で、冒頭の総理首相演説のアイデアをくれないかということだった。
僕は三つほど懸案事項があったから、「私はこの問題についてこうします」と断定したほうがいいと言った。
「大きな啓蒙になりますよ。
総理大臣がそれを言ったらいいんです」と言ったら、保利さんが「それはいいんですが、そうすると国会の議論が白熱化する恐れがありますから」と逃げ口上だ。
「白熱化したらいいじゃないですか。
そのために国会があるんですから」と言ってやった。
今さんは「まあ、慎ちゃんの言う通りだな」と。
そしたら三島さんが「私は二十五分間、時間をください」と。
そして一人で滔々と軍隊を動かして国を変えるというクーデタ計画をぶち上げた。
僕は「この人は何を言うんだろう」と思って見ていたし、今さんもとても苦り切った顔をして葉巻を吸っていた。
三島さんは最後に「どうですか」と言ったら、保利さんは「ああ、なかなかいいお話です。
なるほど。
しかし、なかなかそうはいかないんです」と言って、それで終わり(一同爆笑)。
三島さんは何も期待せず、さっさと帰っていった。
その後、今さんが「石原君、三島はどういうつもりであんな話をしたんだろう」と聞くから、僕は「さあね、あの人が次に書く小説のプロットじゃないですか」と言ったんだけど、それからしばらくして、割腹自殺して果てた。
中略。
亀井
韓国に対しても、日本はもっとぎりぎりのところまで攻めるべきだよ。
石原
サムソンだって潰せばいい。
亀井
竹島に中国とロシアの軍機が領空侵犯しただろう。
韓国軍機は警告射撃したが、自分たちの領土だと勘違いしているわけだ。
日本も同じく撃退する意思を見せないとダメだ。
それもせず「竹島は日本のものだ」と主張しても、道理が通らない。
政府のやっていることはちぐはぐだよ。
石原
政府には徹底してやってもらいたいな。