日本の土地制度の危うさ――中国に不動産を自由に買わせる国家的リスク

2020年1月31日発信。
週刊新潮に掲載された佐藤優氏と三菱地所社長・吉田淳一氏の対談を取り上げ、日本の絶対的所有権、外国人による土地取得、中国政府による統制の可能性、そして緊急時における土地利用規制の必要性について論じる。

2020-01-31
その中に、以前に私も言及した懸念、日本のおかしさ、危うさを、現役の日本有数の不動産会社の社長が指摘している箇所があった。
以下は昨日発売された週刊新潮に佐藤 優が、頂上対決、我々はどう生き残るか、と題して掲載している連載対談からである。
今週の対談相手は、吉田淳一三菱地所株式会社社長である。
その中に、以前に私も言及した懸念、日本のおかしさ、危うさを、現役の日本有数の不動産会社の社長が指摘している箇所があった。
前文省略。
日本の土地制度の問題点
吉田 
そこで私が心配していることがひとつあります。
日本の土地には手厚く所有者の権利を守る絶対的所有権がありますね。
佐藤 
他の国よりはるかに強いです。
吉田 
東京の高級マンションの2~3割は中国人が買って所有しています。
また北海道の山林なども買われている。
中国はご存じの通り憲法の上に中国共産党があります。
だから中国国民の財産を差し押さえるなど、簡単にできてしまう。
佐藤 
その通りです。
吉田 
そうすると、強い所有権に守られた日本のさまざまな不動産が情報拠点になるなど、中国政府に自由にコントロールされる可能性がある。
そこが非常に問題だと思うんです。
だから緊急時などには、土地の利用権を制限するとか、何らかの歯止めが必要じゃないでしょうか。
佐藤 
おっしゃる通りです。
日本では憲法でも、国家の緊急事態は想定されていません。
逆に言えば、どんな緊急事態でも守らないといけない手続きや人権も規定していない。
ここも問題なのですが、このグローバリゼーションの中で、中国だけでなくアメリカでもロシアでも、国家をむき出しにして利益を主張してくる可能性がありますから、土地問題も含め緊急事態での法体系を整備しておくことは大事です。
吉田 
我々も東南アジアでいろんな事業をやっています。
ただそこには外資規制があったり、外国人は所有権が持てなかったりと、さまざまな制約がある。
日本では、絶対的所有権がある一方、土地は誰でも自由に買えるんです。
佐藤 
どの国も土地の希少性という特質をよく考えている。
吉田 
日本がこの人口減少社会の中、消費活動や経済活動をさらに活性化させていくとなると、どうしてもインバウンドをどんどん増やしていくしかありません。
ある程度の規制も含め、彼らを受け入れる体制をきちんと作っておくことです。
一企業でできることには限りがありますから、都市開発のマスタープランや土地利用の緊急時のルールについて、国が積極的に取り組んでいってほしいですね。

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