芥川龍之介の「黒洞々たる夜」と、TBS報道への怒り
2019年10月29日発信。高山正之氏の論考を引用し、児童虐待事件、放火殺人再審報道、TBS・毎日系報道の問題を通じて、見せかけのモラリズムと報道機関の責任を厳しく批判する。
2019-10-29
芥川龍之介は、「外には黒洞々たる夜があるばかりである…」と書いたのだが、私は、彼とは違って暗澹たる思いにとどまっている人間ではないのである。
こんな会社に全国放送の免許を与えている私たちの在り様を思えば、と題して2015-12-05に発信した章を再発信する。
先日、テレビのニュースで以下の事件の顛末が流れた時、私は、直感的に、これはおかしいと感じた。
戦後の世界で最高のジャーナリストである高山正之は、今月号の月刊誌「正論」で彼が連載しているコラムの中で、以下の様な記事を書いていた。
彼の多くの記事がそうであるように、この記事もまた、日本人の大半が知らなかった事実を伝えてくれているのである。
私は、高山正之の感覚と私の感覚は、全く一緒であると言っても過言ではないと思ってもいる。
先日も言及したが、彼こそ、来年度のノーベル文学賞を受賞すべき世界で、唯一無二のジャーナリストであり、真実のみを見事な文章で伝える作家であると私は断言する。
前文略。
*~*の文章は私。
軽薄な女は軽薄な男に惚れやすい。
結婚して子供ができると軽薄な男は家を出ていく。
女は目覚めて「この子と生きよう」とは決して思わない。
女の性か業は別の男と生きる道を女に選ばせるものだ。
新しい父はなさぬ仲の子には一般にきつく当たる。
いい見本がある。
高崎山の猿だ。
旧ボスを追っ払った新ボスはメス猿が抱える赤ん坊猿に「鋭い歯と爪で即死させる」(竹内久美子)。
赤ん坊猿が死ぬとメス猿は途端に発情して新ボスと交尾する。
しかし人間はボス猿よりたちが悪い。
西東京市の女の家に転がり込んだ無職男、村山彰(42歳)は女の息子14歳に1年半にわたって暴行し「24時間に内に死ね」と命じて「耐え難い絶望感を抱かせ」(判決文)自殺させた。
法廷で村山は「実の母が息子を庇おうともせず殴った。そっちが真犯人だ」(日本テレビ)と責任をなすり付けた。
女の業に付け込んで非道三昧。
その上にこの言い逃れをして判決はたった6年。
世の中にはもっと考えさせる事件もある。
20年前、大阪市住吉区の住宅の車庫から出火した。
母子と内縁の夫で在日の男は逃げ出したが入浴中の長女、青木めぐみさん(当時11歳)が焼け死んだ。
捜査の結果、貧しい暮らしなのに、その年の1月に4千万円のマンション購入を決める一方、長女に千五百万円、長男に2千万円の生命保険を掛けていたことが判った。
出火原因にも疑問があった。
長女の生命保険を請求した母と内縁の夫が事情聴取され、殺人と現住建造物放火、詐欺未遂で逮捕された。
当初は2人とも犯行を認めた。
内縁の夫は長女への強姦行為も認め、ともに無期懲役の判決が下された。
しかし公判時から2人とも放火殺人を否認、無実を主張し始めた。
内縁の夫は支援者への手紙で「子供を救えなかった自責の念と、性的虐待をした重い自責の念とが心に取り憑いて」と、その事実を認めている。
母親も支援者あてに「警察から娘への性的虐待を知らされた」「娘の体から夫の精液が検出されたと聞かされた」と綴っている。
2人の無罪申し立てについて弁護側は「自供にあるようにガソリンが撒かれている状態で着火すれば爆発的に燃え上がる」として再審を請求。
大阪高裁は先日、火災の再現実験などから放火殺人は無罪の可能性があると判断。
検察側の抗告を退けて再審を決めた。
2人は即日、釈放された。
新聞はまるで無実の死刑囚の冤罪が晴れたかのようなはしゃぎようで出所した2人の写真を並べて、母に「娘がこの青空のどこかから『ママよかったね』といっている声が聞こえる」と語らせている。
2人が主張するように放火はしていなかったとしても母親は死んだ娘が本気でそう言ったと思っているのだろうか。
母親は支援者の手紙に「車庫でちょろちょろ燃えている火を見て桶に水を汲みそれをかけたらぼあっと広がった。びっくりして119番して」それから息子を連れて逃げた。
風呂場にいる娘を避難させることは気づかなかった。
自分が連れ込んだ男が娘を辱め続けたことも気づかなかった。
でも保険金をかけたことは覚えていたというのか。
その疑問は来年開かれる再審の法廷で明らかにされるが、新聞はなぜこうしたところを故意に伏せ、お祭り騒ぎに徹するのか。
*あなたが…。
この現今の世界で最高のジャーナリストの見事な記事を読んで、さっきのTBSの「報道特集」を観ていたら、この会社=放送局が、どれほど酷い会社かは、嫌でも分かるはずだ。
こんな会社に全国放送の免許を与えている私たちの在り様を思えば、誰もが、私と同様に暗澹とした思いにかられるだろう。
芥川龍之介は、「外には黒洞々たる夜があるばかりである…」と書いたのだが、私は、彼とは違って暗澹たる思いにとどまっている人間ではないのである。
TBS=毎日のあまりにも酷い幼稚さと、その悪辣さ…。
見せかけのモラリズムで報道している所が、実は、最低の悪であることも彼らは気づいてもいないのである。
私は強烈な怒りを覚えている。
読者諸兄も全く同様であると思う。
もしあなたが、まともな日本国民であるならば。