武漢は習近平巨大プロジェクトの中心地だった――山口敬之氏が示した新型ウイルス発生の重大疑惑
2020年3月7日、月刊誌Hanadaに掲載された山口敬之氏の労作を抜粋して紹介する。米国が新型ウイルスに対して日本よりも迅速かつ厳格な水際対策を取った背景には、米国だけが握っていた重要情報があったのではないか。武漢ウイルス研究所、習近平肝煎りの長江大保護プロジェクト、武漢を訪れていた日米の民間団体など、複数の事実は、新型ウイルスが武漢から中国全土へ広がったことが単なる偶然ではない可能性を示している。
2020-03-07
新型ウイルスが、習近平肝煎りの巨大プロジェクトの中心地・武漢から中国全土に広がったのは、単なる偶然なのか。
以下は、先月26日に発売された月刊誌Hanadaに掲載された山口敬之氏の労作からの抜粋である。
前文省略。
米国は何かを隠している。
十一月の大統領選に向け、経済指標の底上げを至上命題としているトランプ政権は、
今年に入ってからは、対中報復関税を緩和したり、
ファーウェイに対する使用制限の実施を延期するなど、
米中の緊張緩和をアピールし続けた。
新型ウイルスに対する中国の対応についても、トランプ大統領はツイッターに、
「習近平国家主席はよくやっている」
と投稿し、
対応に追われる習主席をねぎらう余裕すら見せた。
ところが、中国人のアメリカとの往来については、
中国に滞在した外国人全ての入国を拒否する一方、
アメリカ人の中国全土への渡航自粛を打ち出したのである。
日本政府の対応よりも迅速かつ厳格な水際対策だった。
あくまでドライに実利を追求するトランプ大統領が、
必要もないのに経済を冷え込ませる過剰な措置をとるはずがない。
「トランプ政権は、我々が知らない情報を握っているのではないか」
二月中旬に入ると、他にもいくつかの不自然な現象や兆候がキャッチされたことから、
一部の政府中枢の関係者の間では、
アメリカが新型ウイルスに関する重要な情報を隠しているのではないか、
という疑念が秘かに広がっていった。
盤石と見られた安倍・トランプの日米蜜月にさえ亀裂が生じかねない疑念を政府中枢が持つに至った背景には、
武漢という土地の特殊性があった。
武漢ウイルス研究所の正体。
新型コロナウイルスは、ある種の蝙蝠を宿主として、武漢市内の海鮮市場で拡散されたというのが当初の見立てだった。
しかし、武漢のある湖北省を超えて中国全土に一気に拡散された感染力などから、
「自然に発生したウイルスではないのではないか」
という見方は根強くあった。
一月中旬には、インドの感染症学者が、新型ウイルスに、
「人工的に加工された痕跡がある」
という論文を発表した。
そこで世界中の関係者の注目を浴びたのが、武漢ウイルス研究所だった。
中国の科学分野の最高研究機関である中国科学院が運営する、世界最高レベル、P4、のウイルス研究施設だ。
このレベルの研究所は、中国ではここだけだ。
あまりに急速かつ特異な感染拡大の経緯をたどっただけに、
生物兵器として開発された武漢ウイルス研究所で人為的に作り出されたウイルスが、
誤って、あるいは人為的に、拡散されたのではないかというのだ。
こうした武漢ウイルス研究所を起点とする「人工ウイルス説」は、二月中旬段階では憶測の域を出ていない。
しかし、ウイルスの出自は別としても、
そもそも湖北省とその省都・武漢という都市が、
習近平総書記にとって他の地域とは全く違う特別な意味を持つエリアであったことが、
日本政府中枢の疑念をより深刻なものにしていた。
私の手元に、全十六ページからなる、
「長江、揚子江、生産技術工業研究院設立趣意書」
という中国語の書類がある。
習近平氏の「長江大保護」という掛け声のもと、
武漢に巨大な研究所を作り、
揚子江流域の総合的な開発計画を一大国家事業とするという壮大な計画を詳細に解説している。
受け皿となる長江保護本部は、中国政府などから二・三兆円の資金を保証され、
すでに一・三兆円を調達済といわれている。
この書類によれば、長江生産技術工業研究所は、
前述の「中国科学院」に加え、
「長江科学院」
「上海測量設計研究院有限公司」
の三団体が設立を主導する。
そして、湖北省にある世界最大の水力発電ダム・三峡ダムを運営している、
「中国長江三峡集団」が、
武漢市政府と協力して、
インテリジェント型工業産業パークを作るという。
たしかに中国共産党中央委員会は、二〇一二年に第十八回全人代で、
揚子江流域の生態系保護、科学的発展を大目標に掲げ、
「流域の質の高い発展を目指せ」
との掛け声をかけた。
二〇一三年には、習氏自ら武漢を訪れ、
計画の着実な実施に向けて各施設を回って陣頭指揮をしている。
そしてその構想は、二〇一四年に北京で開かれたAPEC、アジア太平洋経済協力会議で、
習近平氏がぶち上げた「一帯一路」構想へと発展していった。
中国本土を西から東へ流れる世界的な大河・揚子江は、
湖北省で武漢を大きく迂回するように北側に蛇行したあと、
上海で東シナ海に注いでいる。
習氏は、沿岸地域に偏った経済発展を内陸に展開させ、
陸路で中央アジアからヨーロッパへと結ぶ「一帯一路」の最大の拠点として、
武漢を位置付けていたのである。
習近平プロジェクトの謎。
このプロジェクトで目を引くのが、そのスローガンだ。
基本的に内陸部の経済発展を目指しているにもかかわらず、
「長江大保護」
として生態系の保護を前面に打ち出し、
習氏自ら、
「生態回復を至上命題とせよ」
と繰り返し指導しているのである。
武漢の生態系は、回復を至上命題としなければならないほど、
何かに汚染されているというのだろうか。
その武漢の地を、昨年十二月初頭から中旬にかけて、
日米の三つの特徴的な民間団体が訪れていたことは、ほとんど知られていない。
南関東の水質浄化の先端企業と、
関西の環境ビジネス商社、
アメリカ中西部を拠点とする人工知能にかかわる研究者集団だ。
そして、この三つの企業の共通点はただ一つ、
「ウイルス制御、ウイルス除去の特殊技術を持っている」
ということだった。
このうち一つの企業幹部が武漢入りしたのは、十二月六日。
先述の「長江生産技術工業研究院」の関連施設や武漢大学を視察したあと、
問題の武漢ウイルス研究所にも入った。
ここは中国科学院が国家重点実験室に指定しており、
軍事施設並みの入室制限がある。
本来は、西側の人間が入れるような施設ではなかった。
日米三団体の代表者らは十二月初頭から、
それぞれバラバラに、
しかし、ほとんど同じ施設を巡った。
そして、一番早い者で十二月十日、
最も遅い者は十二月十七日まで武漢に滞在した。
そして、どの団体関係者も、
「湖沼湿地修復」
「都市下水施設建設」
「河川湖ダムなどの水質改善」
などの名目で、
ウイルス技術などを巡り、中国側と精力的に交渉を行ったという。
武漢で最初の感染者が伝えられたのが、十二月八日だ。
日米の民間三団体は、新型ウイルスの大流行が始まっていたまさにその時期に、
中国側と、
「ウイルス除去」
「除菌除染」
「人工知能を使ったウイルス管理」
といった課題について、
極めて具体的で突っ込んだ話し合いを行っていたことになる。
中国政府並びに武漢市政府は、なぜ日米のウイルスに強い団体を三つも十二月に武漢に迎え入れ、
国家機密を扱う施設まで見せたのか。
彼らの中国訪問の日程は、十一月下旬には確定していた。
もしその段階で新型ウイルスの感染が始まっており、
その対策の一環として日米の技術の導入を検討していたのだとすれば、
中国政府は遅くとも十一月二十日までに新型ウイルスの感染拡大を検知していたことになる。
日本政府が把握していない何かが、中国本土で起きているのではないか。
新型ウイルスが、習近平肝煎りの巨大プロジェクトの中心地・武漢から中国全土に広がったのは、単なる偶然なのか。
ウイルスが人為的に加工され、悪意をもってばら撒かれた可能性はないのか。
日本政府が軽微と信じるウイルスに対して、なぜ米国は最高レベルの防御策を取っているのか。
日本国内で健常者が次々と死亡するような最悪のパンデミックは起こらない、と言い切れるのか。
これらの疑問や懸念は、あくまで憶測がベースとなっているから、検証のしようがない。
しかし、だからこそ完全否定をされることもなく、疑惑は当面残存するだろう。
後略。