中国外交を動かす党内権力闘争――古田博司・藤井厳喜対談「積極的不潔さ」とウイルス

古田博司筑波大学名誉教授と藤井厳喜国際政治学者の対談から、中国の外交政策を国内・党内の権力闘争の延長として捉える視点、中国政治における権力と正統性、歴史的な衛生観、動物と人間との距離、新種ウイルスの発生をめぐる議論を紹介する。
「積極的不潔さ」とウイルスを主題として、中国の政治と社会を「古代的世界観」と「近代合理性」という対比から論じた章である。


2020-07-22
本稿は2020年7月22日に発信した章であり、前章から続く古田博司と藤井厳喜の対談を紹介したものである。
前半では、中国の外交政策の転換を合理的な国家戦略だけではなく、国内・中国共産党内部の権力闘争の延長として捉える議論が展開されている。
後半では、中国と韓国の衛生観、動物と人間の生活圏、新種ウイルス、中国思想をめぐる三浦國雄の記述などを取り上げながら、古田が「積極的不潔さ」と表現した問題へと議論が進む。
以下の日本語本文は2020年7月22日の原文をそのまま掲載し、句点で改行した。
【引用】
藤井 過去のチャイナの外交政策の転換を見ると、合理的かどうかで判断されるのではなく、内紛によって動いています。
つまり、チャイナの外交政策の転換は、国内、党内の権力闘争の延長線で行われるのです。
古田 党派がすべてなのです。
古代的世界観から脱していない。
【原文】
2020-07-22
過去のチャイナの外交政策の転換を見ると、合理的かどうかで判断されるのではなく、内紛によって動いています…国内、党内の権力闘争の延長線で行われる
以下は前章の続きである。
「積極的不潔さ」とウイルス
藤井 過去のチャイナの外交政策の転換を見ると、合理的かどうかで判断されるのではなく、内紛によって動いています。
つまり、チャイナの外交政策の転換は、国内、党内の権力闘争の延長線で行われるのです。
古田 党派がすべてなのです。
古代的世界観から脱していない。
藤井 ここ70年のチャイナの歴史を見ても、党内闘争がない時代はありません。
熾烈な権力闘争が常に存在している。
その理由は、チャイナにおいて「権力」そのものに正統性が存在していないからです。
トップに立つ条件は軍事力があるかどうか、平時であれば金があるかどうか、そこだけが問われます。
毛沢東は「権力は銃口から生まれる」といみじくも言っているように、チャイナの政治力学をよく理解していた。
賊だとしても力を得て、国内を統一できたら皇帝になれる。
力こそすべての世界です。
古田 法と秩序なんて概念が存在したことはありません。
明時代に制定された法律「大明律」を見ても、それがよくわかります。
「汚物を人の顔に投げてはいけない。
すると百叩きの刑」とか、そんなくだらないことばかり(笑)。
人を侮辱したいときは、脱糞して、それを投げつける。
海上保安庁の女性乗務員が中国密航船の船員から糞便を投げつけられたことがあります(「産経抄」「産経新聞」2010年11月11日付、拙書『「統一朝鮮」は日本の災難』飛鳥新社、2018年、111頁)。
藤井 韓国でもストライキの際、労組の連中が経営者の前で糞便をまき散らしたりします。
古田 中国の影響を受けています。
”大中華”に対する″小中華”の関係ですから。
韓国もとにかく不潔です。
女性紀行作家イザベラ・バードは「世界一汚い都市は、中国・紹興市。
第二位は韓国・ソウル」と書いているほど。
下着ですら気持ち悪くなるまで取り換えません。
食べ物のせいか足が臭いのも多く、ハングルでは特別に足の臭いを表現する言葉として「コリンネ」という単語もあるほどです。
兵営でも足の臭うものは、ドアの外に足を出して就寝させられます。
福島香織さんによれば、ここ12年間で、中国は2000種類のウイルスを抽出しているそうです。
世界だと280種類程度。
段違いです。
さらに南部の中国人はセンザンコウやキンシコウ、キクガシラコウモリなどを食べる。
それでウイルスが拡散するのです。
藤井 そもそもウイルスは、人間が家畜を飼育するようになってから、動物から人間に寄生するようになったそうです。
人間と動物の距離が近いと、新種のウイルスがどんどん登場してくる。
危険地域は特にサハラ以南のアフリカと、南部チャイナです。
豚、ニワトリ、野生の鳥、池の鯉などが混在している。
そこにウィルスが存在して、人間はそれらの動物を口にする。
そうやって新種のウイルスが拡大していきます。
古田 中国国内で新たな豚インフルエンザが見つかったという情報もあります。
こんなところで引用してしまって申し訳ないのですが、中国思想の三浦國雄先生が、「中国文化というものを大局的に捉える場合、人間ないし生物次元の基本的な欲望から出発する、という観点は外せないのではないかと私は考えている」(『不老不死という欲望i中国人の夢と実践』、人文書院、2000年、11頁)と言っています。
つまり、「人間の獣性」が、動物たちとの共生という形で素直に出てきてしまった人たちなのです。
もとより人間の獣性というのは、獣の獣性とは違うでしょう。
だから風呂に入らないアボリジニのような自然な不潔さではなく、中国人の場合は「積極的不潔さ」とでも言うべきでしょうか。
シナ人には人間の獣性に対する、おおらかな肯定があるのです。
子供に股割れパンツはかせて、ディズニーランドで脱糞させてしまうのはそれ忿すね。
近代合理性もしつけないので、子供たちは小動物のようにあちこちの穴や土管にはまります。
藤井 どんどん新しいウイルスが出てくる。
世界で5000万人以上が死んだスペイン風邪だって、チャイナが発祥ではないかと言われています。
古田 古代世界が近代を蚕食(さんしょく)していくようですね。
藤井 しかもウイルスは人と場所を選びませんから、チャイナ国内でもどんどん感染が拡大している。
ただ、毛沢東のゲリラ戦略を見てもわかるように、チャイナの価値観からすると人の命はタダです。
いくら死んでも構わない。
「超限戦」にしても、いくらウソをついても良心の呵責を感じない人たちしか実行できません。
善悪の基準があったら、とても無理です。
チャイナにとっては勝利のみが求められます。
古田 人間という動物の獣性ですね。
この稿続く。

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