辺野古転覆死亡事故が可視化した共産党の「体質」|平和学習には不適切
2026年5月21日の産経新聞に掲載された阿比留瑠比氏の「極言御免」より。
辺野古沖での抗議船転覆死亡事故をめぐり、共産党幹部の発言の変化、ヘリ基地反対協議会との関係、そして平和学習の場としての不適切性を問う。
2026年5月21日発信。
以下は本日の産経新聞に掲載された、阿比留瑠比氏の「極言御免」からである。
辺野古転覆死亡事故が可視化した共産党の「体質」。
平和学習には不適切。
共産党の体質とあり方が可視化されたというところだろうか。
沖縄県名護市辺野古沖で「抗議船」2隻が転覆し、平和学習中だった同志社国際高の高校生らが死亡した事故に関する共産党幹部らの言葉が揺れ動いていて興味深い。
共産党は、船を運航する「ヘリ基地反対協議会」の構成団体であり、いつまでも知らぬ存ぜぬでは通用しないと方向転換したかにみえる。
「修学旅行の高校生を船に乗せたこと自体が重大な誤りであり、ヘリ基地反対協議会の構成団体である共産党として、心からおわび申し上げる」
共産党の田村智子委員長は17日、那覇市内での演説会で党として謝罪した。
小池晃書記局長も18日の記者会見で、ヘリ基地反対協議会に対して「一刻も早くご遺族に直接の謝罪ができるよう、実現する方向で進めてほしい。私もそのために尽力したい」と述べた。
ただ、亡くなった生徒を乗せていた「平和丸」の船長は、かつて共産党公認で県内の地方選挙に出馬していたにもかかわらず、両氏ともそこへの踏み込みは次のように避けた。
「捜査中であり、船長の個人的な情報は報道されていないためコメントを控える」
田村氏。
「別に隠すつもりはないが、個人名は海上保安庁なども出していない。表に出てくれば、その時に対応する」
小池氏。
◎トカゲの尻尾切り
まだまだ不十分ながら党としての謝罪に踏み込んだのは、共産党とのかかわりを隠し切れないとみて、ヘリ基地反対協議会をトカゲの尻尾切りすることで組織防衛を図ることにしたのではないか。
そもそも共産党は事故が起きた3月16日以降、4月2日まで党がヘリ基地反対協議会の構成団体であることを伏せていた。
田村氏は3月26日の記者会見では、平和丸船長と党のかかわりについてこうひと事のように語っていた。
「事故の究明を捜査当局が行っている。究明が求められる以上には、私からコメントのしようがない」
小池氏は3月23日の記者会見でこう主張していた。
「辺野古の基地を監視するにはあの船しかない。決して共産党だけの船でもない。いろいろな人がかかわって運営している」
とはいえ、小池氏自身や赤嶺政賢前衆院議員ら党の関係者が抗議船に乗船していたことも判明している。
当初はできるだけ党との関係性への言及を避け、可能であればかばおうとしたフシがうかがえる。
また、自身も乗船しておいて抗議船の安全軽視や法令違反に全く気付かなかったというのか。
小池氏らが問題を直視して運営を改めるよう求めていたら、悲惨な事故は起きなかった可能性すらある。
共産党は事故後も平和学習、平和教育の重要性を強調するが、自身で抗議船に乗ったうえで平和学習の場としてふさわしいと考えたのだろうか。
◎教師の無責任
ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーは講演録『職業としての学問』でこう訴えている。
《学生たちが定められた課程を修了するためにはかれの講義に出席しなければならないということや、また教室には批判者の目をもってかれにたいするなんぴともいないということなどを利用して、(中略)自分の政治的見解をかれらに押し付けようとしたならば、わたくしはそれは教師として無責任きわまることだと思う》
次々に明るみに出る抗議船の諸問題や党派性をみても、平和学習には不適切そのものである。
論説委員兼政治部編集委員。