野党も権力である――安住氏の新聞採点騒動が暴いたメディアの堕落

立憲民主党の安住淳氏による新聞記事への「採点」騒動を通じて、野党もまた権力であるという当然の事実と、それに沈黙するメディアのご都合主義を論じる。
阿比留瑠比氏の論考をもとに、民主党政権時代の報道恫喝、枝野一強、志位共産党の長期支配、そして朝日新聞に象徴される反権力メディアの欺瞞を指摘する。

2020-03-11
朝日新聞は「自民党でありながら安倍政権に批判的」という理由で石破氏を重用しています。
だが、もし石破氏が総理大臣になったら、朝日新聞は手のひらを返して「石破政権」批判を始めるでしょう。
以下は阿比留瑠比氏の論文の続きである。
ならば「論外」で結構。
二月四日、立憲民主党の安住淳国対委員長が、国会質疑の模様を伝えた新聞各紙に論評を加え、国会内の野党控室のドアに記事のコピーを貼り出していた。
「それでも野党結集を諦めるな」と題した東京新聞の政治部記者コラムには、「百点」「素晴らしい!」の文字と、記者の似顔絵に花丸印。
「『桜』夕食会の収支不記載 首相、他議員も『問題ない』」と見出しをつけた朝日新聞には花丸。
「『桜』首相答弁ほころび」の毎日新聞にも花丸。
「野党、政策論争に注力」なる見出しの読売新聞は「ギリギリセーフ」。
日経新聞の「岸田氏『中間層に分配を』ポスト安倍、政策鮮明」という記事には大きなバツ印がつけられ、「くず」「0点」「出入り禁止」の文字もあった。
ドアの下方に貼りつけられた「政府に注文 自民存在感」という産経新聞の記事は、案の定、「論外」でした(笑)。
要するに、自民党の質問など記事にする価値がなく、自分たちにスポットライトを当ててくれさえすればいいと思っているのでしょう。
内心どう思おうが勝手です。
だが、野党第一党の幹部がこんな子供じみたことをするとは、見ているこちらが恥ずかしくなってくる。
安住氏は「ちょっと調子に乗った」「ほんの冗談のつもり」と釈明していた。
しかし、もし自民党議員が同じことをしたら、一体どんな反応をするか。
報道への圧力だ、言論統制だと、大騒ぎになっていたことは容易に想像できる。
唯一の救いは、立憲民主党内から、山尾志桜里氏が声を上げたことだった。
山尾氏はツイッターで、「公党が各紙の報道を上から目線で比較評価して、『論外』なんてコメントするのが論外だ。野党だって権力なのに」と苦言を呈していた。
まさに、その通りである。
権力者を批判してきた人物が、自ら権力を得た途端、強権的になることは、民主党政権で私たちは経験している。
民主党政権時代、輿石東幹事長は、自身の意に沿わない報道をしたテレビ各社を恫喝した。
「そんなことをやっていると電波を止めるよ。政府は電波を止めることもできる。そうなったらみんな給料をもらえなくなる」と言ったのである。
また、松本龍復興担当大臣も、宮城県知事に暴言を吐いた後、「今の言葉はオフレコだ。書いたらその社は終わりだから」と言い放ち、謝罪に追い込まれた。
安住氏は民主党政権で財務大臣を務めたことがある。
かつて政権の中枢にいた人間が、平気でこんな行動をとってしまうとは恐ろしい。
政治にナメられるマスコミ。
山尾氏が言うように、国会議員である以上、野党であっても権力者なのである。
例えば枝野氏は「安倍一強」を批判するが、自分はどうなのか。
立憲民主党には、発足して二年四ヵ月が経っても、いまだに代表選規約すらなく、事実上の「枝野一強」状態である。
このままでは「枝野終身代表」になってしまう。
もっとひどいのが共産党で、志位和夫委員長は今年で就任から二十年である。
そのことについて記者会見で産経記者が質問すると、しどろもどろになっていた。
野党には民主主義が適用されていないのである。
それでいて安倍首相を「独裁者」呼ばわりする。
このブーメランは、お見事としか言いようがない(笑)。
安住氏の一件は、メディアの本性も露呈させた。
マスコミは安住氏に怒りの声を上げなかったのである。
「出入り禁止」「くず」呼ばわりされた翌日の日経新聞を読むと、ベタ記事でさらっと触れているだけだった。
ふだん持ち上げている野党からけなされても反論すらしない。
「反権力」の旗を振っているメディアに限って、自分たちと親和性の高い政権や政党には甘いのである。
メディアがこんな体たらくだから、政治家に舐められる。
いま、政治がメディアを見下しつつある。
森友・加計問題や特定秘密保護法、安保法制などをめぐって安倍政権が支持率を落としても、数ヵ月後には何もなかったかのように元に戻る。
左系メディアを総動員して安倍政権を叩いても、一時的・部分的な影響しか及ぼさないと見抜かれているのである。
マスコミが力を失った原因は、マスコミ自身の報道姿勢にある。
「権力の監視」を標榜しながら、結局は安倍政権批判がやりたいだけなのだ。
朝日新聞は「自民党でありながら安倍政権に批判的」という理由で石破氏を重用している。
だが、もし石破氏が総理大臣になったら、手のひらを返して「石破政権」批判を始めるでしょう。
ご都合主義が見え見えなのである。
この稿続く。

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