中国に対する日米の軍事協力――戦争回避のための集団的自衛権と自衛力増強

2017-6-19
以下は前章の続きである。
中国に対する日米の軍事協力
安倍総理が対米関係を慎重に進めている理由の一つに中国の問題がある。
中国は猛烈な勢いで軍拡を続けている。
十数年前くらいまでは、自衛隊の軍事力のほうがずっと上だと言われていた。
しかし現在では、日本独力で中国と戦うことは不可能だ。
アメリカ軍だけでも難しいのではないか。
平成八年(一九九六)、台湾の李登輝元総統が初の総統直接選挙を行ったとき、中国は台湾に向けてミサイル発射実験を行って威嚇した。
そこでアメリカが台湾海峡に航空母艦二隻を派遣して牽制すると、とてもかなわないというので中国は矛を収めた。
いまでは、そんな脅しがきくかどうか疑問である。
ところが、安倍総理は集団的自衛権を行使できるようにした。
これは非常に重要なことで、集団的自衛権の行使によって日本とアメリカが軍事的に手を握れば、さしもの中国も手が出せなくなる。
考えてみればわかることだが、七十年前の戦争で機動部隊を持っていたのは日本とアメリカだけである。
ドイツにもソ連にも航空母艦はなかった。
イギリスには航空母艦はあったが、機動部隊はつくれなかったのである。
日米の海軍力は圧倒的だった。
その日米が手を組んだら、いかに中国が軍拡に血眼になろうとかなわない。
そうやって戦争を回避し、にらみをきかせてジッと待っていればいい。
そのうち中国共産党が崩壊するか、うまくいけば総選挙をするような国になるかもしれない。
どこの国でも、総選挙があれば現段階で戦争などできはしない。
たしかに、現在の米中関係は経済的利害で結びついている。
米ソ冷戦時代は、アメリカとソ連のあいだに経済関係も貿易関係もなかったから、図式としては非常にわかりやすかった。
外交官のジョージ・ケナンがソ連と共産主義の「封じ込め作戦」を主導し、米ソは軍拡競争をエスカレートさせていった。
そのうちにソ連がついていけなくなって崩壊した。
中国にはアメリカ資本も深く入り込んでいるから冷戦時代のようには簡単にはいかないが、発想としてはケナンと同じでいい。
中国の民度が上がり、総選挙が行われる時代が来るまで、日本は必要とあれば軍事費を増やし、武力を増強して、日米が手を携えて中国を封じ込めながら待つしかない。
そのためにも、日米関係を良好に保つ必要がある。
日本の今後は対米外交と自衛力増強にかかっていると言える。
これまで経済政策を優先させてきた安倍総理だが、戦後七十年を迎え、この四月には米国連邦議会の上下両院合同会議で四十五分にわたる演説を行った。
いよいよ本腰を入れて日米関係を含む戦後体制の改革に取り組むことであろう。

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