高山正之「日本警世」全文――朝日新聞と媚中政治家はフジモリ大統領の功績を見よ

定期購読専門月刊誌『テーミス』に掲載された高山正之の連載コラム「日本警世」を全文紹介する。
河野洋平、三木武夫、田中角栄、アルベルト・フジモリをめぐる歴史を通じて、朝日新聞、媚中政治家、米国主導の政治介入、国家改革の本質を鋭く論じた歴史的論文である。

本文

先ほどは、定期購読専門月刊誌『テーミス』今月号に掲載されている高山正之の連載コラム「日本警世」から、前半部分のみを紹介した。
本論文は、日本国民のみならず、世界中の人たちが全文を通読する必要がある歴史的名文である。
よって、全文をご紹介する。
朝日新聞と媚中政治家はフジモリ大統領の功績を見よ
朝日は河野洋平の死で「慰安婦強制連行」が真実のように書くが
高山正之
台湾に降りなかった河野洋平
河野洋平が逝った。
とにかく腹の立つ人だった。
そういっては何だけど少し心和んだものだが、朝日新聞の彼の亡者記事を読んで別の怒りがこみ上げた。
朝日は吉田清治の慰安婦の嘘を30年間もばらまいて日本人を貶めてきた。
やっと嘘は認めたのに謝罪もしていない。
その朝日の記事は「河野談話」に堂々と言及する。
官房長官だった洋平が朝日の一連の慰安婦虚偽報道に関して「強制連行はあった」と嘘を追認したものだ。
性奴隷にされたという韓国女性16人の証言が「談話」の根拠だが、後に産経新聞がその証言録を入手したら、証言した者の大半は身許不明。
実在する者は大阪や台湾に「出稼ぎにきた朝鮮人売春婦」だった。
おまけに韓国政府と事前に「談話」の内容をすり合わせもしていた。
要は出鱈目。
洋平は永久追放が相応しかった。
ところが朝日は談話の真偽には触れず、「日本軍の強制性を認めた談話を出した」と、あたかも慰安婦報道は事実だったかのように書く。
どこまでも汚い新聞だ。
洋平の罪は他にもある。
韓国如きに媚びるだけでなく、支那にも媚びた。
「談話」の2年後、洋平は外相としてタイでの国際会議に飛んだが、台風のせいで台北に緊急着陸した。
みな降りたのに、洋平は一人機内に残った。
支那の認めない台湾の世話になるかというポーズで、その後、会議場に着くと洋平は銭其琛に駆け寄り、台湾の地は一歩も踏まなかったと報告した。
こんなのが日本の外相だった。
無様な政治家はほかにもいる。
例えば三木武夫だ。
この男も洋平に似てケチだった。
椎名裁定でまさかの首相に就いたのが、ちょうどお歳暮シーズン。
全国から山のようにお歳暮が三木邸に届いた。
角栄はそんな贈り物を縁の下で支える人たちや記者に配ったが、三木は違った。
庭にプレハブ倉庫を建てて、みな仕舞い込んだ。
記者にはいつもの番茶が出ただけ。
三木はココムで共産圏を除外してきた武器輸出を全面禁止にした。
支那に媚び、併せて平和宰相ぶってみせた。
高市がそれを正すまで50年もかかった。
ロッキード事件は米国の角栄潰し工作だが、三木はそのお先棒を担いだ。
角栄有罪の根拠はロッキード社幹部の証言だけだが、半分は嘘だった。
で、三木は「反対尋問なしの証言も証拠にする」ことにした。
嘘でも証拠にするという意味だ。
特捜の吉永祐介は「米国人は聖書に誓うから嘘はない」と嘘をついた。
かくて米国の思惑通り、角栄潰しは実行された。
三木は佐藤栄作の国葬の日、諫言の書を手渡しにきた右翼の男に顔面を張られて吹っ飛んだ。
男は「三木の顔を見たらムカついてきて」と動機を語る。
米国にも支那にも媚びる三木を見れば、誰もそう思う。
国民の思いを込めた一発だったと評された。
洋平はなぜかそんなお仕置きを免れたが、岩屋毅とか石破茂とか小川淳也とか、危なそうな者は多い。
とくに年間1千200万円もの国政調査費を取りながら、買うのは『週刊文春』1冊だけという立民、中道議員。
中身が正しいかどうかも確かめず、ただ高市の個人攻撃に徹している姿は、ひたすら醜い。
いつ天罰が下っても何の不思議はない。
日本人らしい政治家はいないのか。
見渡したら一人いた。
2年前に鬼籍に入ったアルベルト・フジモリだ。
脱税・縁故採用・賄賂を改革し
新政党「カンビオ(改革)」を率いてフジモリが大統領に就任した90年のペルーは、すでに破綻していた。
経済成長率はマイナス5%、外貨準備高もマイナス。
インフレ率は7千600%、それで税捕捉率はたったの4%。
脱税と縁故採用と賄賂が幅を利かせるうえに、共産ゲリラが略奪と殺戮をほしいままにし、多くの女もさらっていた。
国家破綻の原因は、一握りのスペイン人(シェン・ファミリア)が議会と役所と企業を牛耳り、利潤をむさぼっていたこと。
フジモリは国有企業を民営化し、汚職の源だった輸入割当制を廃止して貿易を自由化し、消費税を導入して税収を確保した。
さらに縁故採用で肥大化した国家公務員官庁を適正化した。
4千人いた文部省は200人に減らし、余った人件費を小学校建設に充てた。
こちらが取材に行ったときも、「毎週末は新設小学校の開校式に出席して、遊ぶ暇がない」と笑っていた。
そしてフジモリ最大の功績は「大統領のクーデター(アウトゴルペ)」だ。
軍を動かして国会を停止し、2院制議会を1院制にした。
議員定数も半分の120人にし、議員年金も廃止した。
もう一つの業績は、センデロ・ルミノソなど数万の共産ゲリラの殲滅だ。
彼は死刑制度を復活し、ゲリラは死刑とした。
その上で、自首した者には減刑を約束した。
米国がフジモリ大統領を潰した
これでゲリラの半分が自首し、その供述から幹部が一網打尽にされた。
囚われていた数百人の女性も解放された。
彼女らはゲリラの性のはけ口にされ、次世代のゲリラ戦士を生む役割も押し付けられていた。
この改革断行でペルーのインフレ率は数%に落ち、財政は黒字化し、教育は普及したが、ただ国を動かしてきた白人は特権も収入も奪われ、不満だけ残った。
米国も「裏庭で起きた日本人の改革」に不快を見せ、マイケル・シフター・ジョージタウン大教授は「根を張ってきたペルーの民主化の波をフジモリはクーデターによって潰した」と非難した。
そしてフジモリは角栄と同様、米国の手で潰されたが、ペルー国民は今回、彼の娘ケイコを大統領に選んだ。
フジモリの業績を評価した証とされる。
米国の思惑に従う日本のメディアは、今回のペルー大統領選の意味が分からない。
それが分かれば、今、偉大な宰相が目の前にいることに気づくだろう。

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